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  • (c) 2013 raco

    暖房器具

    ハリネズミは寒さに弱く、日本の一般的な気候・環境で飼うのであれば
    冬季を無暖房で越すのは不可能です(死んでしまいます)。
    24時間エアコンをつけっぱなしやそれに類する環境がベストでしょうが
    なかなかそれも難しいかと思います。
    ハリネズミにとっての適温はHedgehog centralによれば20-27度、
    ザ・ハリネズミによれば23〜32度(最適は24〜29度、獣医学書からによる引用とのこと)
    それより低い温度は冬眠(といわれていますが
    ヨツユビハリネズミは冬眠できる能力がないため実際は低体温状態で生命の危険に直結します)
    してしまう可能性があるので、よほど温暖な環境下でなければ
    冬季はハリネズミ用に暖房設備が必要となります。

    ヒーターは、下から暖める(上に乗って温まる)タイプのものと
    上から暖める(空気を暖める温度を上げる)タイプのものを併用するのが一般的かと思います。
    また、下から暖めるパネルヒーターはサーモスタットが内蔵されていますが
    上から暖めるタイプのもの(保温電球等)は
    つけたらつけっぱなしになりますので、別途サーモスタットが必要です。

    そのほか、ケージに金網タイプのものを利用しているときは
    そのまま暖めたところで暖気が逃げていってしまいますからカバーが必要でしょう。
    水槽タイプなどでも、ふたがなければ当然暖かい空気は上に逃げますので
    ふたを用意する必要があります。
    もちろん密閉してはいけません。空気穴は確保しましょう。

    下から暖めるタイプ(パネルヒーター)

    代表的なのが「ラビットヒーター」…と思ったら今はバージョンアップ?して
    「うさ暖」という商品になっているようですね。
    リバーシブルでサーモスタット内臓、温度の高低が裏表で選べるタイプのものです。
    小型犬用等の同様の商品でもまったく問題ないと思います。(使っていました)
    主に、巣箱や寝袋の下に敷くような感じで使います。
    低温やけどの可能性がありますので、直接むき出しでおかないほうがよいでしょう。
    ちょっと熱っぽいときの体温程度にしかならないから大丈夫だろうと油断していたら
    低温やけどっぽくさせてしまったことが実際にありますので皆様油断なさらないように…
    直接触れなければ、上にペットシーツを敷いておく程度の厚みでも大丈夫だと思います。

    肌寒くなってきたら、まずこのタイプのパネルヒーターを入れてあげるとよいでしょう。
    本格的に寒くなってきたら、このタイプのものだけでは力不足です。
    (パネルヒーターでケージ内の温度もある程度上がるのではないか?と
    空の衣装ケースと最高最低温度計を使って実験してみたことがありますが
    パネルヒーターが空気を暖める力はほんのわずかなものでした。

    爬虫類などで使われるパネルヒーター(ピタリ適温など?)の場合は
    ケージや水槽の下に敷いて中を暖める用に作られているようなので
    この限りではありません。
    温度もかなり高く(といっても四十数度?低温やけどの危険性は高い)なるようなので、
    ケージ内に入れるのは不向きなようです。

    上から暖めるタイプ(保温電球・暖突)

    手に入れやすいのは保温電球タイプのものでしょうか。
    明るくならずに、熱を発する電球です。
    (実際は発熱部が電熱線のような感じでほんのり赤くなりますので完全に発光しないわけではないです)
    電球むき出しでは危ないので、専用のカバーにセットして使います。
    商品名ではマルカンの「保温電球 カバーつき」かアサヒの「ペットヒーター」あたりです。
    それぞれ、電球のワット数が種類があって、当然ワット数の大きいものほど
    暖める効果も高くなります。
    電球の口金のサイズは一緒なので、
    (「ミニペットヒーター」は名前のとおり小ぶりなようですが)
    他の「ペットヒーター」は本体のサイズは同じようなので
    時期によってワット数の違う電球に変えることも可能です。
    マルカンのほうカバーの大きさは把握していませんが、ワット数の大きいタイプのカバーに
    ワット数の小さい電球をつけるのは問題ないと思います。
    マルカンの保温電球はリーズナブルで、小ぶりで、
    電球の交換にドライバーなどが必要ない等のメリットがあります。

    アサヒのほうはその逆でお値段が高め、大きくてかさばる、
    電球の交換にドライバーが必要というデメリットがありますが
    信頼の日本製で、かなりがっちりしたつくり、
    電球も割れにくいようですし、切れにくく持ちもよいようです。
    20w・30w・40w・60w・100wという多種の電球が同じ本体で使えるというメリットが。
    (マルカンのほうは20w40wのみで100wになるとセラミックヒーターというものになるようです)
    (アサヒのミニペットヒーターは20w30wの電球になるようです)
    ただし100wは本体もかなり熱くなるので、よほど寒い環境でなければ弱めのもののほうがよさそうです。

    金網タイプのケージなら(保温にカバーをかける必要がありますが)設置は割りと楽かと思いますが
    水槽タイプのケージなどは自分で工夫して取り付ける必要があります。
    金網などに取り付けて、その金網をフックなどで上から吊るしたり
    といった方法が割りとメジャーでしょうか。
    私個人は100均で売っているスライド伸縮シンク棚
    (名称がわからなかったので今ググってみたところそういう商品名のようです)の
    ふちを切り落としたもの(ふたを閉めれるようにするため)に
    同じく100均で買った金属製のカードリングで保温電球を吊るして使っています。

    特に衣装ケースなどのときは周りに接しないように気をつけたほうがいいでしょう。
    ハリネズミをやけどさせることがないように高さは気をつけましょう。

    その他、保温電球の気をつけるべき点といえば
    明かりの電球と同じように、切れることがあることです。
    (明るくないので気づきにくい点にも注意です。)
    あわてない様に、予備の電球も用意しておくとよいでしょう。
    (ワット数の違う電球を用意しておくことは温度調整のみならず緊急時の予備としてもよさそうです)
    夜中気づかないうちに切れていても、パネルヒーターと併用していれば
    凍死の危険は低くなりますので、そういう点でも併用はお勧めです。
    寝袋等の暖が取れるグッズがあり、それを利用できる子であればかなり危険は避けられるでしょう。

    保温電球以外には、近年「暖突」というパネルヒーターが人気があるようです。
    値段はお高めですが、熱効率がよく、電気代は抑えられるという触れ込みですので
    意外と早めに元は取れるのかもしれません。
    パワーの割には本体も熱くならないようなのでやけどの危険もないようですし
    保温電球と違って玉切れもしません。
    とはいえ、暖突も、経年で温度が上がりにくくなるという話も聞きますので
    玉切れをしても電球を替えればいい保温電球と違って
    丸々交換なのでしょうから、やはりコストは結構高いのかも?
    コスパ的には電気代を抑えられる分でどのくらいペイできるのか、といったところでしょうか。
    評判はよいようですので、予算に余裕があれば導入するとよさそうです。
    (私は使ったことないです…)

    サーモスタット

    ヒーターをつけっぱなしだと、当然温度は上がりすぎます。
    (逆に、つけっぱなしでも温度が上がらないのだとしたらヒーターの熱量が少なすぎるでしょう)
    近くで見ていれば、温度計とにらめっこしながら換気をして温度調整をすることもできるでしょうが
    24時間それをするのは無理というものです。
    サーモスタット内臓でないヒーターは、サーモスタットに接続して使う必要があります。
    商品名でいえばアサヒの「電子サーモスタット」かGEXの「爬虫類サーモ」
    「電子サーモスタット」は単純な構造で、純粋にサーモスタットです。
    比較的お手ごろですし、単純なので壊れにくそうです。
    「爬虫類サーモ」は照明のON OFF機能もあったりで昼夜別温度設定など多機能、
    表示もデジタル、高機能の分お値段高めといった感じです。
    私は「電子サーモスタット」しか使ったことがありませんが特に問題なく、便利に利用しています。
    設置の際は、センサーはハリネズミの生活する高さに設置しましょう。
    ヒーターを使っているときは、ケージ内の温度は上部には暖かーい空気がたまりますから
    上部と底面はかなりの気温差があります。
    ふた付近にセンサーを設置するとすぐにスイッチが切れてしまい
    温まらないという事態が生じかねません。
    何かの拍子にサーモスタットのダイヤルが回ってしまったり、センサーの位置がずれていたり
    はたまた保温電球が切れていたりといったこともありますので
    サーモスタットを過信しすぎず、時々は温度計をチェックしましょう。

    ケージ全体を暖めることの必要性

    パネルヒーターの上でor保温電球のそばで寝れば問題ないんじゃ?という発想は
    割と自然な考え方かもしれません。
    ケージ全体を暖めず、ある程度暖かいところと寒いところと、
    作っておいたほうがかえってハリネズミも調整しやすいしいいんじゃない?と
    もっともな考え方のようにも思えます。
    ですが、ハリネズミは、寒い場所にいることで
    自分が死の淵にあることに気づけるほど賢いとは限らないのです…
    一部のみを暖めて、ケージ内に寒い部分がある状態で飼っていて
    わざわざその寒い片隅で寝ていて冬眠しかかった例を、
    私がブログ等で見た範囲でも2,3読んだことがあります。
    「冬眠しかかってしまうところでした〜あわてて暖めて事なきを得ました〜」と
    書けるのは予後がよかったからで…
    きっと、そのまま(ブログ等にかかれることなく)亡くなってしまった子達も
    今までに少なからずいることが予想されます。
    ハリネズミが自由にいける範囲に、冬眠してしまう可能性のある
    低い温度の空間を作ることは大変危険なのです。

    使い捨てカイロ

    もちろん普段の保温には適しませんが、
    非常時用にいくつか用意しておくのがよいと思います。
    災害時の停電(3.11以降現実味が増しました…)はもとより、
    寒い時期に獣医さんに連れて行かねばならないときなど
    キャリーケースに入れてあげる必要が出てくるためです。
    カイロは酸素を消費しますから、
    使用時は空気穴をきちんと確保しましょう。

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